湯治と観光では温泉の目的が違う

湯治と観光では温泉の目的が違う

温泉といえば、まとまった休暇を取っていくところであり、レジャーの代表といったイメージもあるでしょう。日本の観光地の多くは温泉施設を併設しており、仮にその地域が温泉街としての歴史を全く持っていなかったとしても、観光客の側からみれば「温泉のひとつもないと物足りない」という感覚が一般的なのかもしれません。



しかし温泉の成り立ちからみると、それはレジャーとしてというより療養目的だったと考えられます。特に古い歴史をもつ温泉の発見に関する逸話について言えば、白鷺が傷を癒していた(道後温泉)とか、鹿が治療で入っていた(玉川温泉「鹿の湯」)などの、動物が療養目的に浸かっていた神秘の温泉というのが定番です。つまり温泉はもともと不思議なヒーリング効果があることで有名になってきたと考えられるのです。
実際、温泉には健康促進に寄与する効果があると考えられています。そしてその効果を期待して温泉を利用することは「湯治」と呼ばれます。つまり一般的なレジャーとしての温泉利用とは、全く異なる利用方法なのです。

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さて温泉利用として非常に古い歴史をもつと考えられている湯治ですが、特に仏教においては入浴が奨励されたといわれます。心身の健康を保つという意味で湯治に着目した代表的な宗教と言えるでしょう。特に鎌倉時代の代表的な僧侶である一遍が、大分県の別府温泉を整備したことは有名です。

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しかしそうした温泉の利用自体は、そのころの時の権力者に限られていたと言われます。つまり温泉の不思議な治癒力を、一種の既得権益として扱っていたのでしょう。時代が進んで江戸時代になると、一般人でも湯治目的で温泉を利用するようになったようです。このころには街道整備とその周辺の宿泊施設が成り立っており、旅の人間が、病気に苦しむ人が、合戦の傷病者が、こぞって湯治を行っていました。そして明治以降の近現代においては、科学的に温泉治療の効果が研究されています。